USB3.1の仕様が昨年固まり、そろそろUSB3.1対応製品も出始めてきました。
USB3.1対応のマザーボードも先日発表されましたね。
ASRock、世界初の10Gbps USB 3.1対応Z97/X99マザー
USB3.0からの進化としては、これまで世界中の人々が経験してきた「上下間違えて挿そうとして時間を浪費する」という問題を解決する、Type-Cという規格(上下どちら向きでも挿せる)が出たことが一般的には一番喜ばれそうなところですが、転送速度についても3.0の2倍に拡張されています。
UBS3.1は転送速度が理論値で10Gbpsになりました。USB3.0が理論値で5Gbps。USB2.0は480Mbpsだったので、それと比べると約20倍速になりますね。
5Gbpsでも大半のハードウェアでは十分だったので(例えばHDDは120MB/sec程度)、速度面でUSB3.1の登場を待っている人は少数派かも知れませんが、一部の機器ではこの2倍速が体感として感じられることでしょう。
こちらのベンチマークによると、USB3.1(ASM1142)はシーケンシャルなreadで733.5MB/sec出ているのに対して、USB3.0(Intel X99 Express)では422.9MB/secとなっています。
USB 3.1 Tested: Performance On MSI's X99A Gaming 9 ACK
最近のSSDはreadで500MB/sec以上出るものもあるので、外付けのSSDでは10Gbspのメリットを享受できそうですね。
もう1つ転送速度が上がりそうなのがUSBメモリですが(抜き挿しする回数が多いという点でType Cのメリットも多く享受できる製品でしょう)、製品の普及まで少し時間がかかるのではないかという記事も出ています。
USB 3.1 flash drives? Don't expect them anytime soon
(USB3.1フラッシュメモリ? すぐにでることは期待しない方が良いかも)
Users are waiting for USB 3.1 because of its ability to shuffle data between host devices and peripherals at speeds of up to 10Gbps (bits per second), which is two times that of the existing USB 3.0 protocol. USB 3.1 is also known for its user-friendly Type C cable
(ユーザはUSB3.0の2倍の10Gbpsの転送速度を誇り、ユーザフレンドリーなType Cケーブルを持つUSB3.1を待ち望んでいる)
当然ながらこれをUSBメモリフラッシュメモリで使いたい層は多いはず。
ところが現状では、USB3.1の普及には時間がかかるとの観測も出ています。
But USB 3.1 technology may be overkill for thumb drives, which are inexpensive. The USB 3.1 chipset is costly
(しかしUSB3.1のテクノロジーは多くの機器にとっては過剰で、しかも高価である。USB3.1チップセットは割高だ)
そもそもUSBフラッシュメモリの速度自体、200MB/sec程度のものが多くUSB3.0でも足りている状況です。USB3.1は現状では確かに過剰なスペックと言えます。
Nevertheless devices with USB 3.1 will be available in the first half of this year, said Jeff Ravencraft, president of the USB-IF.
(とはいえ、USB3.1のデバイス自体は今後半年の間に利用できるようにはなるとUSB-IFのJeff Ravencraftは語ってます)
最初は高価な製品が出るもののコスト的にあまり選択されない状態が続き、そのうち徐々に費用対高価が合うようになって一般にも普及するという流れになるのでしょうか。
USBの上下を挿し間違える苦労から早く解放されたいものですが、そもそもUSB3.1対応のポートが付いたPCを持っている人自体が現在では少数派なので、実際にUSB3.1を使えるのは次のPC買い替えのタイミングになりそうです。
そういう意味でも、実際に利用できるのはまだ先の話ですね。