2015年03月10日

Fedora21からリリース名が付けられなくなったらしい

少し古い話ですが、見落としていたのでいまさらながらに紹介 。

Linuxディストリビューションではバージョンごとにリリース名とかコードネームを付けるのが一般的です。

例えばUbuntuでは形容詞と動詞の組み合わせを使われています。Precise Pangolin(几帳面なセンザンコウ)、Lucid Lynx(明晰なオオヤマネコ)、Trusty Tahr(信頼できるヒマラヤタール)などです。

OSではないですが、統合開発環境のEclipse星や探査機の名前を使ってます。Callisto(木星の第4衛星)、Europa(木星の第2衛星)、Helios(太陽探査機)、Kepler(太陽系外惑星探査機)などです。

Fedoraの命名ルールはちょっと複雑で、前のバージョンから見てis-aの関係にある言葉を使うそうです。

例えばFedora19はSchrödinger's Cat(シュレディンガーの猫)、Fedora20はHeisenbug(調べようとすると消えてしまうバグ)と命名されています。

Name suggestions for Fedora 20を見ると、この2つの名前は下記のような理由でis-aのルールに則っていると書かれてました。

Schrödinger's Cat is a paradox where the object changes state when studied, and so is a Heisenbug.

シュレディンガーの猫は観測によってステートが変わるパラドックス。つまりHeisenbug。

これはネイティブじゃないとちょっと参加しづらいルールですね。

これに加えて、もう1つルールがあります。

Names for releases N and N+1 must be related, and names for releases N and N+2 cannot share the same relationship.

抄訳 : 前回使ったis-aの関係と、今回使うis-aの関係で、同じ関係を使ってはいけない。

同じような連想の仕方で名前が並ばないように、前回とは別の発想でis-aの関係を考えてね、ということだと思われます。例えば「黄色は色、赤も色」という関係で名前を付けた後、次のリリースも「赤は色、紫は色」といった関係で付けてしまわないように。

Fedora15からのリリース名を並べてみると、下記のようになっています。

  1. Lovelock(ネバダ州の都市)
  2. Verne(ジュール・ヴェルヌ)
  3. Beefy Miracle(力強い奇跡)
  4. Spherical Cow(球形の牛」)
  5. Schrödinger's Cat(シュレディンガーの猫)
  6. Heisenbug(調査しようとすると消えるバグ)

命名者の説明を聞かないとどういうis-aの関係があるのか、さっぱりわかりませんね。

Fedora20まではリリースのたびに命名案を募って投票していましたが、21以降中止になったそうです。

The Fedora Board is terminating Release Names as they are currently fashioned following Fedora 20.

今作ってるFedora20以降はリリース名制度を終了するよ

Release Name process endedより)

これによって、Fedora21はリリース名なしでリリースされています。

これはあくまで一時的なことで、別のルールでリリース名を復活させる意思はあるそうです。

The community as a whole or working groups can propose any reformation of a release naming process going forward if release names are desired.

リリース名の新しい命名プロセスの提案は受け付けてるよ

タグ:Linux fedora
posted by newsit at 07:00| linux