2015年03月30日

RIP Internet Explorer(IEよ安らかに)

Microsoft Internet Explorer, a browser familiar to many and loved by few, passed away today after a long illness. It was 19 years old.

(代表的なウェブブラウザとして知られ、あまり愛されて来なかったMicrosoftのInternet Explorerが、本日亡くなりました。享年19歳でした)

RIP Internet Explorer (1995-2015). We Knew Ye All Too Well
(Internet Explorerよ安らかに。1995-20015)

というわけで本日はMicrosoftからサポートの終了を通告され、事実上逝去されることが確定的となったIEの記事をご紹介。

当面、IE自体はWindows10にも搭載されるようですが、Live Supportからは外されひっそりと消えていくことになるそうです。

Windows10ではSpartanというコードネームで開発されているブラウザがメインになり、レンダリングエンジンも新しいものになるとか。(とはいえIEのTridentエンジンをforkしたものが使われるので、過去の癖等はほとんど残りそう)

普通にIE12を名乗ればいいんじゃないと思われそうなところですが、マーケティング的な話とか、過去の遺物を捨てたかったとか、それなりの都合があるようです。

Microsoftは互換性を大事にする企業なので、旧ブラウザとの互換モードも大事に残してきました。Googleなら一瞬で切ってしまいそうな機能も大切に残すところは、企業からは信頼される面でもあり、逆に進歩の足かせになる面でもあります。

上の記事ではIEの略歴が紹介されています。興味深かった点を少しだけピックアップしてみます。

Internet Explorer 1.0 started life as a rebranded version of Spyglass Mosaic, itself based loosely on a browser developed by Marc Andreessen when he worked at the National Center for Supercomputing Applications. It emerged into the world on Aug. 16, 1995.

Internet Explorerの1.0は1995年8月16日、NCSAのMarc Andressenが作っていたSpyglass Mosaicをライセンスしてブランドを立ち上げて始まりました。

Mosaic。懐かしい響きですね。インターネットの黎明期を支えたブラウザです。

By then, Andreessen already had his own commercial version of NCSA Mosaic, called Netscape. Like brothers separated at birth, the two browsers became intense rivals over the next four years.

しかしその時、Andreessenは既に商用のNCSA Mosaicを作っていました。Netscapeです。生き別れの兄弟のように、2つのブラウザはその後数年間ライバルとして競り合うことになります。

現在のブラウザを見ると、Spyglass Mosaicから移ったIEと、NCSA MosaicからNetscapeになりそこから生まれたFirefoxと、KHTMLをベースに生まれたWebkitを利用するChrome、Safari、Operaなどがいますね。

まずNetscapeが先行してJavaScriptCookieを開発し、IEもCSSに力を入れて実装したりと、お互いに競い合って今のブラウザの礎を築いていきいきます。それによってWeb開発者は大いに混乱することにもなるわけですが。

IEとNetscapeの戦いはご存知の通り、IEが勝利します。ビル・ゲイツはブラウザのシェアを握ることの重要性を理解していて、Netscapeを倒すのにかなり力を入れていたそうです。こうしたキーになるテクノロジーにおいて確実に勝利してきているのが、ビル・ゲイツの凄い(怖い)ところです。

IEは市場シェアの95%という圧倒的なシェアを勝ち取りますが、2004年頃になるとFirefoxが登場し、2008年にはGoogleのChromeも登場。

当時はユーザがインターネットに常時接続するようになった影響で、WindowsやIEの脆弱性(特にバッファオーバーフロー周り)が次々に攻撃され、Microsoftもパッチを充てる作業に追われ、OSやブラウザの新製品開発も遅れていた時期。(お陰でXPやIE6は長年同一バージョンで固定され、それがライトなユーザにとっては平和で良い時期だったとか)

数年遅れのIE6が市場のシェアを握っているせいで、せっかくWeb周りで新しい技術が開発されても使えない。速度は遅いし脆弱性も多い。なのになかなかIE6からの移行が進まない。そんな状況が続いたせいでIEというブランドのイメージは地に落ちます。

PC World magazine named IE 6 the eighth-worst product of all time and “the least secure software on the planet.” In 2008, the U.S. Computer Emergency Readiness Team (CERT) recommended turning off the ActiveX controls inside IE because of security concerns. In August 2014, CERT told users to ditch IE entirely until it was patched.

PC Worldマガジンは2008年の最低プロダクトの8位にIE6を挙げ、CERT(訳注:セキュリティの情報を収集、発表する期間)はActiveXはセキュリティがヤバイのでオフにするように通達し、2014年8月にはIE自体パッチがあたらない限り使わないようにと通達しました。

IE8以降はさすがMicrosoftだけあって徐々にChromeやFirefoxとの差を詰めていって、IE10ではセキュリティの評価も上々と、徐々に信頼を取り返してきたところでした。

MicrosoftのWebに関する技術は十分に回復しているので、IEと新プロジェクトを分離することで過去のしがらみ(互換表示とか)も断ち切ってしまえば、かなり良いベンチマークを出してくることが予想されます。

現状、GoogleもAppleもブラウザはモバイル方面に注力していてWindowsの優先度は若干下がり気味なので、少なくともWindows環境における最良ブラウザの地位は(UIで下手なことをしなければ)取り戻せるのではないでしょうか。

posted by newsit at 07:00| web