2015年08月20日

その指紋が「いつ」付いたか推測する技術

犯罪捜査からユーザ認証まで幅広く利用されている指紋ですが、最近はそれがいつ付いたかも判定できるようにな技術も開発されているのだとか。

New tech could tell CSIs when fingerprints were made
(指紋がいつ付いたかを推定できる新しい技術)

The process was developed by Shin Muramoto and Edward Sisco, at the US-based National Institute of Standards and Technology (NIST). It involves using mass spectrometry to map the chemical composition of fingerprints, specifically to see which chemicals are present in what parts of the print.

この手法はアメリカ国立標準技術研究所(NIST)のShin MuramotoとEdward Siscoによって開発された。質量分析を用いて、指紋の化学物質の分布、特にどの箇所に物質が残留しているかを分析する。

どうやら物質の分布によって、その指紋がついた時間をある程度推定することができるようです。

残念なことに現状では予測できるのは4日以内であり、且つ実験室のような理想的な環境下に限るそうです。実際の捜査で利用するには厳しい精度です。

今後は予測期間を10日以上に拡張することと、実際の生活環境での予測を目標に開発を続けていくそうです。

この技術が進歩すれば、誰が何時にそこに居たのかを推測できてしまう、犯罪捜査には効果的な、プライバシーの問題になるとちょっと怖い技術になりそうです。まあ、生活環境でこの手の分析をうまくやるのは相当難しいと思うので、仮に実現できるとしてもあまり近い未来の話ではないと思いますが。

こちらは当該のペーパー。

It was found that their diffusion from relatively fresh fingerprints (t ≤ 96 h) could be modeled using an error function, with diffusivities (mm^2/h) that followed a power function when plotted against molecular weight.

付いたばかりの指紋におけるそれらの分布(t ≤ 96 h)は、拡散率(mm^2/h)の誤差関数でモデル化できる。これらは分子の重さのべき乗に従う。

訳はとても怪しいです。とりあえずやっていることはスタンダードな統計的手法のようにみえます。

この手の分析を屋外でやってみて得られる知見は、指紋だけでなく他の分析にも応用できそうな気がします。

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