2000年頃のドットコムバブルや、2008年のリーマン・ショックなどで大きな上下動を繰り返してきたハイテク関連銘柄の株価ですが、最近はまた上昇傾向が見られるようです。
Why tech stocks are trending again
(なぜハイテク関連銘柄がまたトレンドになっているのか)
The industry has re-established itself as the dominant sector in the US stock market and currently accounts for 20 per cent of the value of the S&P 500 index. That is tech's largest share since the dot-com bubble, and makes it the biggest sector in the market.
ハイテク産業はUSの市場の支配的な分野として、現在ではS&P 500インデックスで20%を占めるまで復興しつつある。これはドットコムバブル以来の高水準で、各分野の中で最も高い数字でもある。
アメリカにはApple(6724億ドル - 1位)、Microsoft(3974億ドル - 3位)、Google(3712億ドル - 4位)、Facebook(2044億ドル - 14位)、Oracle(1813億ドル - 18位)などの巨大企業がいるので、他の国と比べても特にその手の銘柄が強い傾向があるようです。
現状ではそれらの株価は2000年頃のドットコムバブルのような高過ぎる価格になっているわけではないと記事ではされています。
The P/E for Apple's stock is 12, considerably less than the average tech company and the overall market.
Appleの株価はP/E(訳注:株価収益率)は12で、全銘柄の平均値よりも下回っている。
The company's P/E is 20.7, above the average for the S&P 500, but not excessively so.
GoogleのP/Eは20.7で、これはS&P 500の平均値よりは高いが、高過ぎる数値とも言えない。
とあるように、P/Eで見てもそれほど高い数値にはなっていないようです。
Googleが検索市場で勢力を失うことは今のところ想像できないので、安定して一定の収益をあげられるだろうことを予想すると、株価収益率が他社より多少悪くなっても不思議ではないと言えます。
もちろんハイテク銘柄全体が堅調というわけではなく、銘柄の選択には注意が必要です。
例えばTwitterは今年の第二四半期で61%の売上上昇を記録していますが、この伸びは上場以来最低で株価も低調に推移しています。
今後の懸念材料としては、ドル高の影響があるそうです。
Microsoft and eBay were two technology companies that lamented the impact of the stronger dollar in their most recent earnings.
MicrosoftとeBayはドル高の影響を大きく受けている。
一時期80円を切っていたドルが最近では120円を超えるようになったのは記憶に新しいところで(しかもアメリカは現状では政策的にドルを弱くする意思はないようなので、通貨高を避けようとしている他国に対して高いレートを付けることは今後も避けられない)、対ユーロでも2011年にはEUR/USDで1.4を超えていたのが1.1程度まで下落しています。
日本で売られているIT製品についてもドル高(円安)の影響で全体的に値上がりしていて、当然ながら消費に大きな影響が出ています。1ドル80円の頃と比べると1.5倍ですからね。為替の変動は恐ろしいものです。
とまあ、不安材料もあるし収益を落としている企業もあるものの、現状はバブルというほどの株価になっているわけでもなく、市場全体の数字は堅調で今後も伸びていくことが予想されるようです。
日本でも現状はかなり景気が良いようで、それに対してプログラマの数も足りておらず、私のところにもひっきりなしに仕事の依頼が来ている状況。いつまでもこの景気が続くとは思えませんが、もうしばらくはこの状況が続いてくれそうに見えます。ありがたいことです。